2018/11/10 17:45

恐らく私のロンドン滞在最後のコンサートになるであろうと思われたSpanish eyesの歌で有名なエンゲルベルト・フンパーディンク公演。
招待していただいたのは日本人女性。
私は招待ばかりでコンサートに行っているように思われますが、その通りです。
コンサート会場(4000人ぐらい収容?)について驚いたのは、中高年ばかりの女性(いわゆるおばちゃん連中)ばかり。
当時私と招待主の女性は20台。おそらく会場の中で私どもは最も若かったのではないか、と思っています。
その当時、フンパーディンク氏の競争相手はトム・ジョーンズ、面白おかしくトム・ジョーンズの真似をしたりして会場を沸かせます。
私たちもつられて笑ったりしましたが、少し雰囲気が変わったのは、彼が東洋人の真似を始めてからです。
ロンドンには、Commonwealth、香港から来た東洋人の中国人がかなりいますが、フンパーディンク氏の物まねは明らかに日本人旅行者に向けられたものでした。
その当時グループツアーの始まりで(あんまり書くと年がばれてしまいますが)日本人旅行者がロンドンの街中で散見されていました。
まだ旅慣れていない日本人旅行者は集団で移動していました。現在中国人旅行者の言動が話題になりますが、その当時は現代の中国人旅行者とあまり変わらないような言動を日本人がしていたわけです。
コンサート会場の私たちはなんだか一斉に皆から目を向けられているような居心地の悪いを思いをして、私と日本人女性の笑いは引きつるようになりました。笑い物の対象になっている日本人が会場にいるわけです。ときどき新聞などに出てくる日本人の風刺画で、典型的なのは出っ歯で奇妙な言語を操り、集団で移動しているというようなステレオタイプの人物像です。フンパーディンク氏はそういう物まねをするわけです。

会場の外に出た私は何となく刑務所から解放された囚人のような気持ちでした。

さてこのフンパーディンク氏、数年前ですがEurovision song contest(ヨーロッパ内のソングコンテスト)のイギリス代表に選ばれました。いわゆるテコ入れですね。
それまでのイギリス代表は、コンテスト代表の24(?)カ国中、ほぼ最後尾で、スポンサー国で審査なしで出場できるイギリスも、このままでは恥をかくだけと思い、フンパーディンク氏に白羽の矢が立ったわけです。
そして結果は同じようにほぼ最後尾。

フンパーディンク氏のファンには申し訳ないのですが、私は少し留飲を下げました。